火災保険が外壁塗装に適用できるのは本当？正しい知識と適用条件とは

火災保険が適用される範囲は火災だけではなく、台風や雷による被害にも適用されるのをご存知でしょうか。実際に火災保険を使った修繕工事も行われています。

結論から言うと、外壁塗装にも火災保険が適用されるケースはあります。ただし加入している火災保険の種類や、住宅が受けた被害によって条件が変わるため、誰にでも適用されるわけではありません。

この記事では外壁塗装に適用される火災保険の種類や条件、申請するときに注意しておきたいポイントを解説します。

火災保険は外壁塗装に適用できるのか？

外壁塗装にも火災保険が適用されます。条件さえ整えば工事費用を安く抑えられるでしょう。一般的な火災保険には、台風や雷による被害が適用されるので、外壁だけではなく屋根が破損した場合でも大丈夫です。

ここで注意したいのが、経年劣化や施工不良が認められる場合には火災保険が適用されないこと。例えば台風の影響で外壁の塗装が剥がれるなんてことは、基本的にありえないですよね。

以下のような症状では火災保険が適用されないので覚えておきましょう。

• 屋根のサビ、細かい傷、色褪せ、変色
• 外壁のひび割れ、カビやコケ、剥がれ、反り（浮き）
• スレート屋根の剥がれ、ズレ、汚れなど

どの症状も経年劣化と判断されるケースが多いものばかりですね。火災保険はあくまでも、災害や事故による被害にしか適用されないので注意してください。

それではまず現在加入している火災保険の種類をチェックしていきましょう。

火災保険の種類

火災保険の種類は大きく分けて3つあります。

• 住宅火災保険
• 住宅総合保険
• オールリスクタイプ

適用範囲が広い住宅総合保険かオールリスクタイプに加入していると安心でしょう。

住宅火災保険でも自然災害による被害は十分な補償が受けられます。住宅総合保険にある「飛来/落下」は、例えば石が投げ込まれたり、車が衝突してきたりした場合にも適用されるものです。

オールリスクタイプの火災保険は、住宅総合保健よりも保証対象外が広くなっています。建物以外の「フェンス」や「家財（家具や家電）」も保証対象として加入できるタイプです。自然災害よりもその他の被害のほうが心配であれば、オールリスクタイプの火災保険に入っておくとよいでしょう。

ただ火災保険は地震に関しては保証対象外なので、地震によるひび割れが起きたとしても適用されないので注意してください。

火災保険が外壁塗装に適用される条件とは

火災保険は災害や事故によって外壁に傷がついたり、穴が空いたりした場合に適用されるケースが多いです。

しかしあまり外壁に直接被害を受けるケースは少なく、余程大きな物や固い物がぶつからない限りは傷が付きません。特に住宅街では風の影響も少ないですからね。

実は火災保険が適用されやすいのは屋根や雨樋です。そのため屋根や雨樋が被害を受けたとき、一緒に外壁塗装を行うのが現実的でしょう。

• 雪や台風で雨樋が破損した
• 強風で金属屋根がめくれた
• 台風で瓦がめくれて破損した

上記のような被害が出れば足場が必要になるケースが多いため、火災保険を使って直します。足場費用や補修費用は火災保険で支払いができるので、外壁の塗装も一緒に行うと安くなるというわけですね。

もちろん直接外壁に被害が出れば火災保険を使えば問題ありません。しかし外壁塗装を検討しているタイミングで被害を受ける可能性は低いです。それなら他の被害に合ったタイミングで外壁塗装を行うほうが賢いでしょう。

火災保険は車の保険とは違い、使ったからといって料金は上がりません。せっかく火災保険に加入しているのなら、使えるときに使っておくほうが毎月の料金も無駄にならなくて済みます。

火災保険を申請するときに注意しておきたいポイント

火災保険の申請には次の3つに気を付けてください。

• 申請する手順
• 申請するタイミング
• 依頼する業者

重要な部分なので、それぞれ詳しく解説していきます。

申請する手順

まずは火災保険の申請手順を見ていきましょう。

1. 加入している火災保険の確認
2. 塗装業者に見積もりを依頼
3. 申請に必要な書類の作成
4. 専門の鑑定人による調査
5. 保険金の支払い

流れを見ると大変そうですが、やってみるとそこまで難しいことはないのでぜひ覚えておいてください。1と2はほぼ同時進行になりますので、早めに済ませてしまいましょう。

そもそも保険が適用されるかどうかわからないと先に進めないからですね。

1：加入している火災保険の確認

まずは入っている火災保険を確認してください。よくわからない場合は保険の担当者に連絡するのが早いです。この時点で必要な書類を送付してもらうなど、準備をしておくとよいでしょう。

2：塗装業者に見積もりを依頼

申請をするには破損箇所の修理にかかる工事の見積書が必要です。大抵の火災保険は20万円以上の被害に適用されることが多いので、工事金額が少ないと適用されないケースがあります。

依頼する業者に「火災保険を使う」と伝えたほうがスムーズに行くでしょう。火災保険を使う場合は業者選びが重要になってくるため、この後で注意点を詳しく解説します。

3：申請に必要な書類の作成

申請に必要な書類は3つあります。

• 保険金の請求書
• 被害の報告書（写真など）
• 工事の見積書

保険金の請求書は自分で記入できるのですが、被害の報告書や見積書は業者に任せましょう。

4：専門の鑑定人による調査

書類の提出が終わったら保険会社から専門の鑑定人が派遣されます。被害状況の確認や、工事金額が適正かを実際にお家を見てチェックするためですね。

無駄な工事と判断された場合はその分の工事費用が差し引かれるため、適用される保険金額が少なくなります。

5：保険金の支払い

工事が適正の範囲と認められたら無事に保険金が支払われます。ただし入金されるのは、保険金の手続きから1ヶ月程度かかるのが一般的です。

保険金が入るよりも先に工事が終わってしまうケースも多いので、工事費用の支払日などは前もって業者と話しておくとよいでしょう。

申請するタイミング

火災保炎の申請は、災害などの被害を受けてから3年以内に行わないといけません。年数が経つと、どの災害による被害かの判断が難しくなるからですね。

工事が完了してから申請することも可能ですが、直す前の写真が必要なので、あまり現実的ではありません。

依頼する業者

火災保険を使った外壁塗装は、業者選びが重要になってきます。できれば火災保険を使った工事に慣れている業者が望ましいです。

申請に慣れていない業者だと、書類の作成や適用される工事内容が分かっていないからですね。適用される症状やポイントが分かっていなければ、申請漏れがあるかもしれません。

せっかく火災保険を使うなら、できるだけ安くしたいですよね。必ず適応経験のある業者に依頼しましょう。

また、火災保険が下りるのをいいことに費用を高く請求してくる業者もいます。火災保険を使った詐欺のような被害も出ているため、業者選びは慎重に行ってください。

火災保険が外壁塗装に適用されなかった場合の代替案

残念ながら外壁塗装に火災保険が適用されないケースもあります。そうなった場合は諦めるしかありません。ただ費用を安くするなら「助成金」という手もあります。

各地域の自治体が行っている制度なのですが、条件が合えば5〜20万円ほどの補助が出ます。火災保険が適用されなかった場合は、まず「助成金」を調べてみてください。

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