外壁の塗料に防水性はある?防水効果の高い塗料の特徴と注意点も解説

外壁塗装をして住宅の防水性を高めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

確かに防水性の高い塗料は性能も高く、住宅を長持ちさせる効果があります。しかし、すべての外壁に適しているわけではないため、取り扱いには注意が必要なのです。

この記事では住宅の防水性、防水効果の高い「防水塗料」について解説していきます。外壁の防水性を正しく理解して、適切な塗装工事を行いましょう。

防水工事と外壁の塗装工事は違う

防水工事と外壁の塗装工事は違う

はじめに防水工事と外壁の塗装工事の違いを知っておいてください。表現が似ていてややこしい部分ですが、これらは大きく違います。

防水工事

屋根(屋上)やベランダの防水を目的に行う工事。塗料を使ったりシートを使用したりする方法がありますが、外壁に使われる材料とは違います。屋上やベランダのない住宅に使われることはないでしょう。

外壁塗装

外壁塗装はあまり防水のイメージがないかもしれませんが、住宅の防水性を高めるための工事です。弱ってきた外壁を塗装で修復するため、新築の頃のような見た目や防水性を取り戻せます。

この記事で解説していく内容も、すべて外壁の防水性に関するものです。

外壁の防水性を高めるのは塗装だけではない

外壁の防水性を高めるのは塗装だけではない

外壁の防水性は塗装だけではなく、素材によって変わります。住宅の外壁に使われている素材は次の3つがほとんどです。

外壁の素材防水性
金属高い
木材低い
セメント系低い

塗装されていない素の状態であれば上記のようになります。どんな外壁を使っているかで、そもそもの防水性が変わるというわけですね。そのため、外壁の種類に合わせて使う塗料も変えないといけません。

全く同じ塗料を使っても、外壁の素材によって効果が異なるため注意してください。まずはお家の外壁がどんな素材なのかを知ることが大切です。

防水塗料とは?特徴と種類を解説

防水塗料とは?特徴と種類を解説

防水塗料とは、塗料の中でも防水効果が高い「弾性塗料」のことを指します。実際どの塗料を選んでも防水性はあります。その中でも特に防水性に優れているのが、弾性塗料というわけですね。

弾性塗料はゴムのように伸びる性質があり、外壁にひび割れが起きても簡単に割れることがありません。また、通常の塗料よりも水を通しにくい性質があるので、防水性が高くなっているんです。

弾性塗料は2種類。ゴムのような性質に差があります。

  • 弾性塗料:120%以上の伸び率
  • 微弾性塗料:50~100%ほどの伸び率

また弾性塗料を用いた施工方法も4つに分かれています。

工法塗装回数費用相場
複層弾性仕上げ5回5,000~6,500円/㎡
単層弾性仕上げ3回3,600~4,500円/㎡
弾性塗料仕上げ3回2,500~5,000円/㎡
微弾性塗料仕上げ3回2,000~5,000円/㎡

一般住宅の塗り替えでよく使われているのが、弾性塗料仕上げですね。上塗りにどんな塗料を使うかによって費用が変わります。

それぞれ詳しく解説していきます。

複層弾性仕上げ

複層弾性仕上げとは、新設したモルタルやコンクリート壁に用いられる工法。塗装回数が5回と多くなっており、高い防水性を維持できる塗装方法になっています。

  • 下塗り:1回(密着性を高めるため)
  • 中塗り:2回(防水性・厚み付けるため)
  • 上塗り:2回(仕上げ塗料・弾性塗料)

中塗りに粘度の高い塗料を使うことで厚みを付け、防水性の高い層を作ります。上塗りにも弾性塗料を使用するので、防水性も高くひび割れに強い塗装と言えます。

ただ施工の手間もかかるため、手軽にできる工事ではないでしょう。また住宅ではモルタルやコンクリート壁も少ないため、今ではあまり見なくなった塗装方法かもしれませんね。

単層弾性仕上げ

単層弾性仕上げとは、複層弾性を簡略化した塗装方法です。粘度の高い上塗り塗料を使うことで、中塗りと上塗りの役割を持たせています。

  • 下塗り:1回(密着性を高めるため)
  • 上塗り:2回(防水性・仕上げ)

手間をかけずに厚みを付けられる塗装方法ですが、塗装の性能や耐久性はそこまで高くありません。防水性も高くひび割れにも強いものの、上塗りと中塗りを合わせた性能なので、上塗り性能が劣るというわけです。

複層弾性よりも簡単に行える塗装方法ですが、塗装業者によっては耐久性を考慮して、単層弾性を使わないケースもあります。

弾性塗料仕上げ

弾性塗料仕上げは下塗りに粘度の高い塗料を使います。密着性も高く、ひび割れを埋める効果も持ち合わせているため、塗り替え向きの塗装方法ですね。

  • 下塗り:1回(防水性を高めるため)
  • 上塗り:2回(仕上げ塗料・弾性塗料)

下塗りはもちろん上塗りも弾性塗料なので、ひび割れへの追従性、防水性も高くなっています。

微弾性塗料仕上げ

微弾性塗料仕上げは、弾性塗料よりもひび割れに強くないものの、様々な外壁材に使われています。

  • 下塗り:1回(防水性を高めるため)
  • 上塗り:2回(仕上げ塗料・弾性・硬質塗料)

少しややこしい部分ですが、外壁材によっては上塗りに弾性塗料を使わないケースもあります。硬質塗料とは、弾性ではない普通の塗料ですね。あまり硬質塗料とは呼ばないため、馴染みがないかもしれません。

弾性塗料が適している外壁の種類

弾性塗料が適している外壁の種類

弾性塗料は性能が高い塗料ですが、外壁材によって向き不向きがあります。

モルタル・コンクリート壁向いている
木質系サイディング向いている
金属系サイディング向いていない
窯業系サイディング向いていない

基本的にモルタル・コンクリート壁向きの塗料と思っておくといいかもしれませんね。その他の外壁材について解説していきます。

木質系サイディング

木材の外壁に弾性塗料が使われることもあります。木材は反りや割れが起きやすいため、伸縮性能の高い塗料が効果的だからですね。

ただ木材の塗料選びは難しく、劣化が進んでくると弾性塗料でも思うような効果が得られないケースもあります。劣化具合に合わせて塗料を決めるのが望ましいでしょう。

金属系サイディング

金属系サイディングに弾性塗料が使われることがほとんどありません。よほど強い衝撃が当たらない限り、変形や割れが起きないからですね。

弾性塗料を使っても問題はないのですが、使う意味があまりないでしょう。

窯業系サイディング

窯業系サイディングに弾性塗料はNGです。窯業系サイディングは熱を持ちやすく、湿気が溜まりやすいため防水性の高い弾性塗料は向いていません。湿気の逃げ場がなく、塗装が膨れてくる恐れがあります。

小さなひび割れがある場合でも「窯業系サイディング専用の微弾性塗料」を下塗りに使わないといけません。上塗りにも弾性塗料を使わないほうがいいでしょう。

弾性塗料を使っても雨漏りが直るわけではない

弾性塗料を使っても雨漏りが直るわけではない

弾性塗料はひび割れに強い塗料ですが、塗装したからといって雨漏りが直るわけではありません。もし雨漏りしている部分があるのなら、塗装ではなく補修をする必要があります。

雨漏りの原因はシーリング(コーキング)の劣化やひび割れが原因なのですが、水が侵入するほどの劣化は塗装では直せないからですね。塗装で直せるのは、0.3mmほどの小さなひび割れだけです。

  • シーリングの劣化
  • 外壁の剥がれ
  • 外壁のひび割れ(3mm以上)

上記のような劣化は、塗装する前に必ず補修してください。防水性に優れている塗料とはいえ、過度な期待をしてはいけません。

外壁から雨漏りしているのに「塗装すれば大丈夫」と言う業者がいたら、工事を依頼するのはやめておいたほうがよいでしょう。知識がない業者か、悪徳な業者の可能性が高いです。

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